【遊戯王】六花弱くて草(植物族だけに)。
いよいよ発売が明日に迫ったデッキビルドパック-シークレット・スレイヤーズ-。
先月、2月14日に《六花聖ティアドロップ》を公開したきり音沙汰の無かった植物族テーマ「六花」の全貌が3月3日に公開されました!
正直な感想としては(記事タイトルでオチてますが)「弱くて草」。
10,000種類以上の過去カードとのシナジーは一旦おいておいて、「デッキビルドパックのテーマ」として考えるにはちょっと(かなり)物足りないといった印象を受けました。
何がそんなに気に食わないのか?詳しくは続きから!
1.アドが増えない!?
まずはテーマ内サーチカード《六花絢爛》。
《六花絢爛》
【通常魔法】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
このカードは自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースして発動する事もできる。
①:デッキから「六花」モンスター1体を手札に加える。モンスターをリリースしてこのカードを発動した場合、さらに手札に加えたモンスターとはカード名が異なり、元々のレベルが同じ植物族モンスター1体をデッキから手札に加える。
「六花」通常魔法・罠カードは共通効果として「自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースして発動する事もできる」という一文を持っており、このコストを払う事によって追加効果を得ることができます。
さて、それでは《六花絢爛》の追加効果ですが…
モンスターをリリースしてこのカードを発動した場合、さらに手札に加えたモンスターとはカード名が異なり、元々のレベルが同じ植物族モンスター1体をデッキから手札に加える。
フィールドのモンスターをリリースして、条件付きサーチが1枚増えるだけでプラスマイナス0。
墓地に魔法が3枚という軽い条件で1枚ドローを付与して+1アドを得た《閃刀起動-エンゲージ》ほどの強さとは言いませんが(規制されちゃうので)、せめて手札交換以外の要素は欲しかったところです。
続いてテーマ内蘇生カード《六花深々》。
《六花深々》
【通常罠】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
このカードは自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースして発動する事もできる。
①:自分の墓地から「六花」モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。モンスターをリリースしてこのカードを発動した場合、さらに自分の墓地から植物族モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。
追加効果の条件は先程の通り。
このカードが得る追加効果は、通常の「六花」モンスターの守備表示蘇生に加えてもう1体墓地から植物族モンスターを守備表示で蘇生するというもの。
これも枚数的にはプラスマイナスゼロ。
さらに「六花」テーマ内にはこの効果で特殊召喚したタイミングで効果を発揮できるモンスターは居ないので追加アドバンテージを得ることもありません。
「六花」自体がX召喚テーマであることを踏まえても、通常魔法で良かったんじゃないか?と思ってしまいますね。
前回《ドラゴンメイドのお心づくし》なんて蘇生カードが出てきたデッキビルドパックとは思えない……
そして妨害カード《六花の薄氷》。
《六花の薄氷》
【通常罠】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
このカードは自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースして発動する事もできる。
①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターはフィールドで発動する効果を発動できない。モンスターをリリースしてこのカードを発動した場合、さらにそのモンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。この効果でコントロールを得たモンスターは植物族になる。
本来の効果が「フィールドで発動する効果を発動できない」=永続効果は無効にならないという微妙さに畳みかけるように、追加効果はその「効果を発動できない状態にしたモンスターをエンドフェイズまでのコントロール奪取」。
《六花の薄氷》自体とコストとしたモンスターの2枚を失って、エンドフェイズに相手へ返っていくコントロール奪取を妨害として相手ターンに使った場合、プラスマイナスゼロどころか、純粋に2枚の損失になります。
このカードに似た効果を持つ代表例としては《閃刀機-ウィドウアンカー》というカードがあります。こちらは「モンスターの”効果無効”」かつ「リリース不要(墓地に魔法カードが3枚必要)」の「速攻魔法カード」です。
《六花の薄氷》もせめて魔法カードで自ターンに使えれば「永続効果を無効にせずコントロールを奪える」という点がメリットになったんじゃないか…と思うんですけどね。どうなんでしょうか。
2.種族縛りがキツい!!
(おそらく)六花デッキの軸としてデザインされたであろう下級モンスター《六花のひとひら》。
《六花のひとひら》
星1 水属性【植物族/効果】
ATK 0 / DEF 0
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズに発動できる。デッキから「六花のひとひら」以外の「六花」モンスター1体を選び、手札に加えるか墓地へ送る。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は植物族モンスターしか特殊召喚できない。
②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、
または自分フィールドのモンスターが植物族モンスターのみの場合、相手エンドフェイズに発動できる。このカードを特殊召喚する。
テーマ内モンスターをサーチするか墓地へ送る効果自体はとても優秀(というか多分これが無いと機能不全)な効果です。
問題はそこに付随してくる制約が非常に重い。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は植物族モンスターしか特殊召喚できない。
10期カードシリーズで多用されていた「EXデッキから特殊召喚できない」ではなく、「(場所を問わず)特殊召喚できない」。
いくら①のサーチ効果発動前には制約がかからないとはいえ、サーチ範囲の狭さに見合った効果かと言われると……といったところ。
この制約を持っているのが《六花のひとひら》だけであれば問題は無かったのですが、残念なことに展開の軸になるカードにも付随してきます。
それがこちら《六花精スノードロップ》。
《六花精スノードロップ》
星8 水属性【植物族/効果】
ATK 1200 / DEF 2800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースして発動できる。このカードと植物族モンスター1体を手札から特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は植物族モンスターしか特殊召喚できない。
②:自分フィールドの植物族モンスター1体を対象として発動できる。自分フィールドの全ての植物族モンスターのレベルはターン終了時まで対象のモンスターのレベルと同じになる。
手札から自身ともう1体の植物を特殊召喚するだけの効果で《六花のひとひら》同様の特殊召喚制限が付けられるという、令和の《アンブラル・ゴースト》でも見せられてるのか?と思うようなテキスト(あちらは通常召喚ですが…)をしています。
そもそも、①リリースする植物族モンスター、②このカード自身、③効果で特殊召喚するモンスター、で3枚要求されるのも運用が難しそうです。
基本的にはこのカードを使うのは②効果によるレベル調整が目的になるでしょうが、そのためには任意のレベルの植物族モンスターを都合よく手札に調達する必要が出てきます。
前述の《六花絢爛》であればこのカードと植物族モンスターを同時に手札に揃えられますが、その場合は特殊召喚のリリースコストでもう1体植物族モンスターが必要になってしまい、あまり状況が好転するわけではありません。
そして何より「この方法で特殊召喚した後に②効果を使用して召喚できるXモンスター自体がさほど強くないという最大の難点。損失に見合うカードと言えば《森羅の鎮神オレイア》《森羅の守神アルセイ》くらいでしょうか…?
3.エースがパッとしない!!!
どれだけ縛りがあっても、エースモンスターがそれに見合った強力な効果をしていればいいと思っています。「斬機」なんてわかりやすくて良い例ですね。
サイバースしかEXデッキから特殊召喚できなくなる縛りを課しながら展開した先、《炎斬機ファイナルシグマ》がそれに見合った耐性と攻撃力で「エースモンスター」として活躍します。
さて、前述の通りEXデッキどころか全ての特殊召喚に植物族縛りを課して展開する「六花」のエースと思われるXモンスターですが…
《六花聖ティアドロップ》
R8 水属性【植物族/エクシーズ/効果】
ATK 2800 / DEF 2800
レベル8モンスター×2
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除き、自分・相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをリリースする。このカードが植物族モンスターをX素材としている場合、この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):モンスターがリリースされる度に発動する。このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースされたモンスターの数×200アップする。
《六花聖カンザシ》
R6 水属性【植物族/エクシーズ/効果】
ATK 2400 / DEF 2400
レベル6モンスター×2
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:モンスターがリリースされた場合、このカードのX素材を1つ取り除き、自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され、植物族になる。
②:自分フィールドの植物族モンスターが効果で破壊される場合、代わりに自分の手札・フィールドの植物族モンスター1体をリリースできる。
《六花聖ティアドロップ》は(植物族を素材にしていれば)自分ターン・相手ターンで相手のモンスターを計2体除去しつつ、最低でも3,000の攻撃力をキープできるカード。
無条件で発動できる「リリースする」効果が自身に内蔵されている為、他の六花と違い単体完結している効果自体は悪くありませんが、このカードがエース!と言われるとちょっと物足りなく感じます。
同期の《魔救の奇跡-ドラガイト》が最大5枚バウンス!と派手な効果を持つEXモンスターであることによって、余計見劣りしてしまう感はありますね…
もう1体のXモンスター《六花聖カンザシ》は、かなり厳しいカードに思えます。
ただでさえテーマ内でランク6のX召喚をするには、上記の《六花精スノードロップ》を使用したレベル調整や、場の植物族をリリースして《六花精ボタン》を特殊召喚し、そのリリースに反応した《六花精エリカ》を墓地から特殊召喚する…など、いずれにしても手札・フィールドに指定カードがある程度の枚数を要求されます。
《六花精ボタン》
星6 水属性【植物族/効果】
ATK 1000 / DEF 2400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが召喚または植物族モンスターの効果で特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「六花」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
《六花精エリカ》
星6 水属性【植物族/効果】
ATK 2400 / DEF 1000
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカード以外の自分の植物族モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に、手札・フィールドのこのカードをリリースして発動できる。その自分のモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで1000アップする。
②:このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドの植物族モンスターがリリースされた場合に発動できる。このカードを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
そのうえで《六花聖カンザシ》の①効果を使うためには追加でモンスターのリリースが必要となり、そこまでして出来ることと言えば「効果を無効にした自分・相手墓地のモンスターの特殊召喚」。
せめて効果無効じゃなければ《六花精エリカ》の戦闘補助を使って前ターンに戦闘破壊した相手のモンスターを逆に利用する…など言えたような気がします。
ちなみに《六花精ボタン》《六花精エリカ》を安定して運用する手段は《六花のひとひら》によるサーチor墓地肥しですが、これをやると当然植物族しか特殊召喚できなくなるので、実質相手の墓地から特殊召喚できる効果はあってないようなものです(《六花精スノードロップ》を使用した展開も同様)。
総じて《六花聖カンザシ》は、リソースの供給速度に対して消費速度が見合っていないという印象です。
5.何のために生まれて 何をして生きるのか
《六花精シクラン》
星4 水属性【植物族/効果】
ATK 1800 / DEF 1000
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札・フィールドのこのカードをリリースし、自分フィールドの植物族モンスターを2体まで対象として発動できる。そのモンスターのレベルをターン終了時まで2つ下げる。
②:このカードがリリースされ墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
①効果
レベル4六花⇒ランク2六花が居ないのでレベルを下げる必要なし
レベル6六花⇒ランク4六花が居ないのでレベルを下げる必要なし
レベル8六花⇒《六花精スノードロップ》がレベル変更効果を持っている
②効果
リリースされた場合のエンドフェイズ蘇生⇒自分ターンのエンドフェイズに墓地から特殊召喚されて果たせる役割は「六花」通常魔法・罠カードのコスト。
レベルを下げる効果も有効に使える部分が少なく、まるでエンドフェイズの特殊召喚効果を発動するためのデメリットのようですらあります。それ以外に効果を持たない準バニラモンスターである点も厳しい。
同じくレベル4の《六花精プリム》は
① リリース誘発の手札からの特殊召喚
② 2体まで植物族のレベルを2上げる(フィールドでの起動効果。自身対象も可)
と、2つの効果でランク6に貢献しているのにどうしてこうなってしまったんでしょうか……
6.全力でここに依存するしかないのでは?
ここまで散々書いてきましたが、唯一脅威になるカードと言えば《六花の風花》でしょうか。
《六花の風花》
【永続魔法】
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドの「六花」モンスターがリリースされた場合に発動できる。相手は自身のフィールドのモンスター1体をリリースしなければならない。
②:相手エンドフェイズに、植物族モンスター以外の表側表示モンスターが自分フィールドに存在する場合に発動する。このカードを破壊する。
このカードは他と異なり、植物族でなく「六花」モンスターと指定範囲が狭まっていますが、それも当然と言える強力な効果になっています。
名称にターン1とはいえ、自分が「六花」モンスターをリリースした際に、相手は自身のモンスターをリリースしなくてはいけないというもの。
例えば《六花の薄氷》であれば、フィールドでの効果発動無効&コントロール奪取に加えてリリースを要求されるため、相手は(そのターン中とはいえ)モンスター2体を一気に失うことになります。
またサーチカードである《六花絢爛》でさえも、追加効果のために支払ったボードアドバンテージの損失を相手にも押し付けるという、除去カードを兼ねたサーチカードへと化けます。
ただこのカードをもってしても《六花聖カンザシ》が微妙であることは揺るがないんですよね…なんなんだあのカード……
《六花のひとひら》は「六花」モンスターにしかアクセスできないため、魔法・罠カードをサーチできる《六花精ボタン》はありますが、いかに早くこのカードにアクセスできるかで相手とのアドバンテージ差に大きな影響を与えるカードになりそうです。
7.終わりに
久しぶりに新規テーマをボロクソに書いた気がしますね……
テーマとしての現時点での感想は記事の通りなので、今後混ぜ物や(どうせレギュラーパックに入るだろう)新規でどう化けるかに期待ですね。
記事中にも何度か名前を登場させましたが、六花カードには閃刀姫やドラゴンメイドのカードからスペックを落としたようなテキストの物が何枚かありました。
仮にこの感覚があっていたとすると、今回の収録カードのパワーバランスは意図的に落とされたようにも考えられますね。
4月からのルール変更もあり、これまで以上にカードパワーのインフレには注意しなければいけないタイミングなのかもしれませんが、これまでのインフレの波に慣れてしまうと、今更カードパワーを落とされる事には抵抗を感じてしまいますね。
3月中の残る発売は三幻魔ストラクを残すのみとなったため、4月からのレギュラーパックがどうなるか、といったところです。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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