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【〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件】おすすめ読書:作者からの出題ミステリは、お好きですか?

 

オススメの小説なんかを紹介したいよね、とだけ言って実際に記事を書きだすまでかなり間が空いてしまったが、ようやく第1回。

 

記念すべき1回目の題材は何にしようかを迷い、候補を絞った後にどんな感じに紹介しようか迷いながら読み返してしまい時間がダラダラと過ぎて気づけば半月以上。

 

どうせ外出自粛なGWに読んでもらおう、と企画時に意気込んでいたのはどこへやら…

 

迷いに迷った第1回に紹介するのは「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」。

私の好きなミステリ作家である”早坂吝”のデビュー作にして、第50回メフィスト賞(っていう講談社主催の新人賞)受賞作でもある。

 

 

 Amazonのリンクを貼っておくので、気になったら買ってくれると嬉しい。かなり嬉しい。

 

 あらすじ

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは? 「タイトル当て」でミステリランキングを席巻したネタバレ厳禁の第50回メフィスト賞受賞作

 ※公式あらすじより引用

 

ミステリのルールに則って、もちろんネタバレ無しのオススメポイントは続きから。

 

 

まずこの本を見た時には「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」という妙なタイトルが気になると思う。

読み方は「まるまるまるまるまるまるまるまるさつじんじけん」で合っているとも言えるし、合っていないとも言える。

 

この作品のいきなり面白いところはまさにこれで、要は「ミステリ1作品を使ったタイトル当てクイズ」を作者が挑んでくるのである。

 

作中冒頭、もくじと簡単な登場人物紹介を終えると、小説本編の前に作者からの挑戦状が現れる。

 

曰く、本書で取り組んでもらいたいのは犯人当てでも、トリック当てでも、動機当てでもなく、タイトル当てである、と。

 

詳細なルールは割愛するが、小説内で展開される殺人事件はちゃんと論理的に犯人が1人に絞られるミステリでもあり、タイトルはそのトリックと連動している。犯人が分かればタイトルも自ずとわかり、逆にトリックが分かれば、犯人もわかるようにできているとも書かれている。

 

実際にこのルールに嘘はない。

書いてある通りに、犯人とトリック、タイトルは見事に連動している。

 

ただし、当然作者が挑戦状とするだけの難易度はある。

わかってしまえばスッキリするのだが、そこに至るまでの描写が非常に緻密にできているため、僕自身は種明かしされる最後の最後まで答えを導き出すことができなかったし、逆に種明かしがされた瞬間にはあまりの痛快さに自宅で大笑いした。

 

今回、オススメ記事を書くにあたって読み返したが、やはりそのシーンまでの運びがスムーズすぎてニヤリとしてしまった。

 

もしこの記事を読んで購入し、タイトル当てに挑んでくれる人が居るなら全ての描写に注意して読んで欲しい、とだけ言っておきたい。

 

 

さて、作中の殺人事件と連動した作者からの挑戦状と奇抜なタイトル、というある種物語外の要素はひとまず終えて、本編の話。

 

この物語の語り手は、あらすじにも登場している公務員の”沖”という男性。コミュニティサイトで知り合った、一癖ある馴染みのメンバーと夏休み恒例開催の孤島でのオフ会に向かおうとするが、そこには初参加の赤毛の女子高生がおり……?というところから始まる。

 

殺人事件、所謂”一般人”な語り手、見知ったメンバー、1人だけの新参者、孤島、とお決まりの要素揃いである。ここで新参者が金田一一だったら、そのまま金田一少年の事件簿が始まってもおかしくないような場面設定。

 

作者からの挑戦状、なんて打ち上げた割にはありきたりなのでは?と思った方もいるだろうが、心配しないで欲しい。

この作品の特徴的なところは、ミステリには必要不可欠な”探偵のキャラ”にある。

 

あらすじから察する通り、ミステリの舞台で「いつものメンバー」と「それ以外の新参者」が居たら、大体の場合新参者が探偵役と相場が決まっている。

 

本作でも期待を裏切らず、この1人だけの新参者こと赤毛の女子高生”上木らいち”が探偵である。ちなみにこの作品は後に続くシリーズの一作目であり、シリーズの通称は「援交探偵 上木らいちシリーズ」。

 

このシリーズ通称が、ある意味作品の特色を一言にまとめている。

一体そのふざけたシリーズ名はどういうことなのか、気になった方は僕の同類なのでこの作品を気に入るだろう。

 

僕自身もそのシリーズ名に興味を持って購入し、その期待通りに作者がノリノリで書いただろうネタや描写が気に入ってあっという間に既刊を揃えてしまった。

 

決してウケ狙いで挟まれるだけの不要な描写でなく、きちんと物語の中心、作品によっては根幹を為すトリックに大きくかかわる要素として取り入れられており、思わず「援交探偵とかいう奇抜さのクセにどうしてこんなに丁寧なんだ…?」と思わされるほど。

 

この丁寧さと奇抜さは作者の作品全体に通じており、僕は毎度毎度「その手があったか」と唸らされている。

 

作者の思い通りに作中描写に踊らされてしまうミステリは、読後感のカタルシスと、全て知った上でもう一周したくなる非常に濃密な時間を過ごせる。

 

皆さんも是非オススメの作品があれば教えて欲しい。

 

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